信太の森 「葛の葉稲荷」

 

先日、大阪府和泉市にある「葛の葉稲荷」へ行ってきました。

 

このブログでも何度か紹介している

谷崎潤一郎の著書「吉野葛」にも登場し

遠州章さん著書「葛の花道」でも紹介されています。

 

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葛の葉という名の狐の物語

 

谷崎潤一郎が表現し続けた、理想の女性像である母親

その気持ちに共感するのが、葛の葉伝説だったのでしょう。

 

葛の葉伝説の詳細は↓ ↓ ↓

 

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上の看板には書かれていませんが、これに登場する葛の葉の息子「童子丸」は

陰陽道を学び、立派な陰陽師になりました。

それが、後の有名な陰陽師「安部晴明」なんですって。

境内には葛の葉稲荷というくらいなので色々葛の葉です。

 

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そして、葛の葉伝説で有名な詩があります。

恋しくは 尋ね来てみよ 和泉なる

信太の森の うらみ葛の葉

狐が筆をくわえて書いている様を表した句碑を発見

 

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ケヤキやクヌギなど、大きな木がたくさんあって

森と呼ぶにふさわしい空間でした。

私は霊感はほとんど無い方なのですが

入った瞬間、何か感じました・・・。

たぶん、いますよ。 葛の葉

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なんと町名まで葛の葉なんです。

一度行ってみてください。

葛井寺

大阪府藤井寺市へ行ってきました。

 

元プロ野球団「近鉄バッファローズ」の本拠地

藤井寺球場が有名なので

藤井寺という名前は有名だと思います。

 

でも、藤井寺にあるお寺は

なんと

葛井寺(ふじいでら)なんです。

 

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これは、人の名前から来ているそうです。

詳しくはこちら ウィキペディア

 

始まりは葛井さんだったのですが

後にご尽力したのが藤井さん

地名は完全に藤井寺となっているのですが

寺だけは葛井寺として残っているようです。

 

葛と書いてふじと読むのがビックリでした。

私的には葛井寺の方が愛着があって良かったです。

改名するときは、葛藤(かっとう)したのでしょうね(笑)

 

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大井川葛布

 
昨日、静岡県島田市へ行ってきました。

 
お邪魔したのは、大井川葛布を作っておられる

村井さんの工房です。

 
村井さんは葛布の研究とともに、葛全般の知識もお持ちなので

一度お会いしたかったのです。

 

気さくな方で非常に話しやすく、驚くほど知識豊富でした。

情報交換をするつもりでしたが、ほとんど教えられっぱなしで

葛布を愛する気持ちの強さ、研究にかける熱意、各地を飛び回る行動力

圧倒されました。でも負けていられぬ、もっと頑張らねばと改めて気合いをいれました。

 

 
 
お話させていただいた空間は、まさに葛布、葛布、葛布

壁紙から座布団からコースター、スリッパ、ランチョンマットなどなど

葛布に囲まれていました。

 

 
 

屋根の梁がむき出しで、窓から優しい光が差し込む工房には

いろんな種類の機織り機がたくさん並んでおりました。

 

  

 
 
葛布には様々な色があり、この工房では全てが

炭や柿渋など天然染料で染められていました。

 

 
 
近年、「食の安全」や「住まいの安全」は、なにかと注目され意識するのですが

「衣の安全」はあまり意識が弱いです。

葛布は日本三大古布というものの一つで、はるか昔より人々の生活の一部となっていて

冠位十二階の着物や、武士の鎧の内衣にも使われていたと教わりました。

 
昔の人の生活にはすばらしい発見がいろいろあります。

改めて、衣服を始め、身の回りの小物や肌に触れるものの安全性を

見直す時期が来ているのかもしれません。

 

 

 

 
 
大きく成長したと感じた一日でした。

葛布を知る事のみならず、葛という植物の素晴らしさを再認識し

こんなに葛を愛し触れ合っている人との出会いに喜びを感じました。

 
葛布だけでなく、葛に興味のある方は大井川まで足を運び

直接お話しすれば、たぶん葛が好きになりますよ。

 
村井さま、そしておもてなししていただいたご家族さま

お忙しい中、本当にありがとうございました。

 

 
大井川葛布

  ウェブサイトはこちら

 
 

葛=国栖

今回のお話は葛と直接関係ないのですが・・・

以前説明した内容ですが、葛という名前の由来について

 

Pueraria lobata 」というのが本来の学名で、葛は和名です。

この葛の名前の由来となったのが、吉野町にある国栖(くず)という地名です。

 
今日、この国栖で受けるがれている伝統工芸の「紙漉き」を見学してきました。

深い味わいのある非常に丈夫な和紙なのです。

 
材料は楮(こうぞ)という木の皮です。

柔らかく煮て、表皮を削ぎ落としてキレイな繊維だけを使います。

 

 

 
水槽の中で水とよく混ぜて、漉いていきます。

厚みを均一にするのがすごい技術なんです。なにせ薄~いですから。

そして漉いたものを重ねて水切りします。

 

 

 
一枚ずつ乾燥させ仕上げます。

きめ細かく真っ白な和紙は、主に障子紙になるそうです。

ホームセンターに売っている障子紙と比べると、かなり丈夫で温かみを感じます。

価格もそれなりに高価なので、障子に使用するにはチョット気合いを入れねば・・・。

ちなみに私の家では普通の障子紙です。お子が4人もいるとすぐに破るので(-.-)

 
お待たせしてしまっている「極上葛菓子」の包装に、この工房の和紙を使いたいと思います。

植さんという方の和紙工房です。家族でほんとにコツコツやってます。

葛布を知る

以前このブログで、葛のツルを使った布の話をしました。

昨日、この葛布を勉強する為に静岡県の掛川へ行ってきました。

 
お邪魔したのは、川出幸吉商店さんです。

 
 
ご主人さまに約3時間、みっちり教えていただきました。

ほんとに親切で知識豊富な方でした。

 
葛布は葛のツルを収穫し、「葛苧(くずお)」作りからです。

簡単に説明すると、なるべく太めのツルを収穫し鍋でゆがきます。

それを草をしいた穴に埋め、2日間ほど醗酵させます。

葛のツルは、3層構造になっています。ゆがいて醗酵させることで

表面の皮を取り除き、中心にあるツルの芯を抜きとることができるんです。

残った部分を川の水でよくさらしてアクや余分な皮を取り除きます。

残った繊維を乾燥させ、細く裂きます。これで葛布の材料「葛苧」ができます。

葛苧つくりは、夏場にするものらしいので来年の夏に挑戦してみたいですね。

 
下画が葛苧なのですが、1本1本は糸のように長くはないのです。

 
これを結んで長くするのですが、特殊な結び方があるんです。

それが「葛結び」です。教わってやってみました。

結んだ短い方が2本とも同じ方向に傾いています。

これが後の工程で重要になるんです。

 

上画が「ひ」という機織りの道具です。

この中に糸状にした葛苧を8の字に巻いて装着します。

ちなみに8の字に巻いた葛苧を「つぐり」と呼ぶそうです。

上画の「ひ」の真ん中に白い小さい穴が空いていて、そこから葛の糸が

出てくる仕組みなのですが、ここで葛結びが役立つわけです。

結び目が左右に分かれていると、穴に引っかかって出てこないのです。

そして千切れてしまう訳です。

 
実際に、機織りも見せていただきました。

私は機織りをしたことがないですが、とにかく音がいいですよね。

シャー、カタンカタン、シャー、カタンカタン

 
 
店内には様々な葛布を使った製品が展示してありました。

 

 
財布や草履、壁掛けや襖紙、壁紙などなど

布製品とは一味違った風合いがありますね。

 
小物を購入しましたので、店に飾っておいて

お客さんとの会話を楽しみたいと思います。

川出幸吉商店さま、ありがとうございました。