今年も葛花を撮影してきました。
秋の七草である葛は、8月下旬から9月中旬にかけて花を咲かせます。
上品な赤紫色で甘い香りがします。
↓ 花の出始めはこんな感じ ↓
↓ 葉と同じで節から伸びます ↓
↓ たまに二つに分かれる時もあるんです ↓
葛の花は、皆さんが思っている以上に身近に咲いています。
少しだけ、意識してみてください。
澱粉は加熱により水を吸い込み透明になる
そして温度の低下により離水し白濁する。
これが澱粉の基本です。
今回は・・・
低下させる温度の違いで白濁速度が
どれほど変わるのか、という実験です。
本葛と水で作った葛切りを使用します。
作ってすぐの葛切りを割り箸に引っかけて
水の入ったコップに沈めます。
水温は3℃と30℃の2種類で変化の違いを検証します。
注: ・画像、左が3℃。右が30℃です。
・結露がすごくて、撮影毎に拭いていたのですが少し見にくいです。
・途中で氷を足しているので、水位が変わってます。
以上が検証結果です。
温度の低下速度で白濁速度が変わるのがよく分かります。
とくに驚きは一分後ですね。
たった一分で白濁感がでてきます。
白濁は水を失うことなので、滑らかさや弾力を失います。
これからの時期、冷たい物が食べたくなりますが
葛を楽しむためには、あまり冷やさないことが大切なんです。
このブログで何度も説明したことですが
澱粉というものは、加熱をすることで水分を吸収します。
そして、粘りや滑らかさ、透明感が生まれます。
今回の実験は
「すばやく加熱」 と 「ゆっくり加熱」 の比較です。
沸騰までの時間が変わると仕上がりが違うのか?
というものです。
本葛湯を使って実験しました。
作り方は下記動画でご覧下さい。
まず、家庭用コンロで火力全開で加熱した場合
沸騰まで約2分かかりました。
仕上がりはこんな感じです。↓ ↓ ↓
そして、家庭用コンロで中火くらいで加熱した場合
沸騰まで約4分かかりました。
仕上がりはこんな感じです。↓ ↓ ↓
違いがわかるでしょうか?
写真では分かりにくいのですが、違うんです!
すばやく加熱した方よりも、ゆっくり加熱した方が
透明感や滑らかさが増しています。
急速に加熱するよりも、ある程度は時間をかけてあげる方が
キレイに吸水できるのです。
これは葛湯に限らず、葛餅や葛切りでも同じなんです。
上記を踏まえたうえで、もう一度ご覧ください。
どうでしょうか?
透明感や滑らかさの違い、ちょっとは分かるのではないでしょうか。
ただ、加熱も時間をかけすぎると良くありません。
極端に時間が長くなると、粘りが減少したり糖分が焼けてしまったりと
質を落としてしまうことに繋がります。
気持ちとして、ほんの少し火力を落とすくらいが丁度いいです。
本葛を使いこなすためには温度を使いこなす!
微妙な調整が仕上がりを左右するんです。