基本的に、この「葛れしぴ」では葛のお菓子などを
おいしく作る方法や配合を公開するんですが
今回の内容は失敗した例です。
でも何かの参考にはなるんではないでしょうか。
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テーマは乾燥の葛きりなんです。
初めから作ろうと思ってやったわけではないのですが・・・
葛きりを作っていて、ふと 、何となく 、突然に
「葛きりを干してみよう」と思ったわけなんです。
そんな時、目に入ったのは葛の鉢植えの格子。
早速、カットした葛きりを吊るしてみました。
乾燥の葛きりという商品は売られていますし
私の店にも置いてありますが、自分で作ったことは無かったので
これも良い経験です。
吊るした時点で分かっていたことですが
今回、最大の失敗ポイントが上の画像のように
葛きり達がくっつきあっているところです。
まあこんなところに吊るすと当たり前なのですが・・・。
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そして次の日
・・・・・・・・・・・・・・・・・ (-_-;)
葛きり達は風にゆられて、ますますくっつき
そのまま乾燥してこんな感じに。
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念のため、もう一日乾燥させました。
カチカチです。ここでふっと気が付いたことなのですが
「できたての葛きり」というのは透明なのです。
しかし時間の経過と共に、白濁としてきます。
これは葛粉の特徴で加熱によって透明になり
冷却によって白くなるのです。
ここで疑問が・・・。
完全に乾燥した葛きりは
美しいくらいに透明なのです。
葛粉の白い成分はいったいどこへ?
このメカニズムは今のところ分かりませんが
この結果はいろんな意味で今後の参考になりました。
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そして実験の最終段階
熱湯でゆがくと元に戻るのか?
ゆがいてみました。
結果としてやわらかく戻ります。
しかし今回はくっついた状態だったので、ゆで具合が
バラバラで柔らかい部分や硬い部分があって
美味しく食べれるレベルでは無かったですが・・・。
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最後に今回の実験で確認したかったこと。
出来立ての生葛きりより、一度乾燥させた葛きりのほうが
コシが強くなるのかどうか?
私の判断ではコシが強くなってました。
驚きです。なぜなんでしょう。
理屈は分かりませんが結果は手に入れました。
いままでは「乾燥のほうがコシが強いらしいです」、だったのが
この経験で、「強いです」、に変わりました。
聞いたことがある、と経験したことがある、では大違いですから。
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あくまで私の好みですが、強いコシの乾燥葛きりより
出来立て葛きりの自然でやさしい食感のほうが100倍美味しいです。