葛布を知る

以前このブログで、葛のツルを使った布の話をしました。

昨日、この葛布を勉強する為に静岡県の掛川へ行ってきました。

 
お邪魔したのは、川出幸吉商店さんです。

 
 
ご主人さまに約3時間、みっちり教えていただきました。

ほんとに親切で知識豊富な方でした。

 
葛布は葛のツルを収穫し、「葛苧(くずお)」作りからです。

簡単に説明すると、なるべく太めのツルを収穫し鍋でゆがきます。

それを草をしいた穴に埋め、2日間ほど醗酵させます。

葛のツルは、3層構造になっています。ゆがいて醗酵させることで

表面の皮を取り除き、中心にあるツルの芯を抜きとることができるんです。

残った部分を川の水でよくさらしてアクや余分な皮を取り除きます。

残った繊維を乾燥させ、細く裂きます。これで葛布の材料「葛苧」ができます。

葛苧つくりは、夏場にするものらしいので来年の夏に挑戦してみたいですね。

 
下画が葛苧なのですが、1本1本は糸のように長くはないのです。

 
これを結んで長くするのですが、特殊な結び方があるんです。

それが「葛結び」です。教わってやってみました。

結んだ短い方が2本とも同じ方向に傾いています。

これが後の工程で重要になるんです。

 

上画が「ひ」という機織りの道具です。

この中に糸状にした葛苧を8の字に巻いて装着します。

ちなみに8の字に巻いた葛苧を「つぐり」と呼ぶそうです。

上画の「ひ」の真ん中に白い小さい穴が空いていて、そこから葛の糸が

出てくる仕組みなのですが、ここで葛結びが役立つわけです。

結び目が左右に分かれていると、穴に引っかかって出てこないのです。

そして千切れてしまう訳です。

 
実際に、機織りも見せていただきました。

私は機織りをしたことがないですが、とにかく音がいいですよね。

シャー、カタンカタン、シャー、カタンカタン

 
 
店内には様々な葛布を使った製品が展示してありました。

 

 
財布や草履、壁掛けや襖紙、壁紙などなど

布製品とは一味違った風合いがありますね。

 
小物を購入しましたので、店に飾っておいて

お客さんとの会話を楽しみたいと思います。

川出幸吉商店さま、ありがとうございました。

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