葛にとっての花とは

 
チョット時期が遅くなったのですが、葛の花を撮影に出かけました。

 
葛は秋の七草として知られ、残暑の頃から花をつけます。

 
今回、撮影を通じて気付いた事、感じたこと

 
葛の葉は、河原・フェンス・電柱・などなど

 
日当たりのよい場所であれば、どこでも繁殖するというイメージです。

 
しかし、花は少し違うように思えます。

 
昨年も少し感じましたが、撮影するとき花との距離が遠い。

 
花を撮影するなら望遠レンズが必須なんです。

 
すべてがそういうワケでは無いのですが、ほとんどの花が

 
高所にある場合が多いんです。

 
地面を這うツルよりも、高い木に巻きついているツルに多くの花をつけます。

 
なぜなんでしょうか?

 
花の終わりに豆を付ける。もちろんその豆の中に種ができる。

 
その種を守ろうとしているのかもしれない・・・。

 
そんな防御本能があるのか無いのか分かりませんが

 
そんな事を思いながら花を眺めていると

 
これまで思っていた、荒くれ者的な植物のイメージが抑えられて

 
なんとなくですが、か弱く愛おしい存在に思えてしまいました。

 
 
 
 

 
 
 

 
 
 

 
 
 

子供たちと

 
 
先月、吉野町商工会主催の「キッズビジネス体験塾

というイベントが開催されました。

 
その中で、子供たちに葛を体験してもらうため

講師として参加させていただきました。

 
子供たち相手ですが、中途半端にならないように

真剣に説明~実践までを経験してもらいました。

 
 

 

 
 
 
まず葛の基本知識を1時間かけて勉強

 

その知識をもとに葛餅つくりを体験

 
そして最後に筆記テストを行いました。

 
ありがたいことに、素晴らしい成績でみんな合格でした(^O^)

 

子供を相手にするのは、妙な緊張感がありましたが

みんな楽しんでくれたのではないでしょうか。

 
私にとっては貴重な経験でしたし、子供の好奇心の強さに

良い刺激をうけました。

 

素敵な舞台を与えていただき、ありがとうございました。

子供たちもお疲れ様でした(^O^)

 
 

大井川葛布

 
昨日、静岡県島田市へ行ってきました。

 
お邪魔したのは、大井川葛布を作っておられる

村井さんの工房です。

 
村井さんは葛布の研究とともに、葛全般の知識もお持ちなので

一度お会いしたかったのです。

 

気さくな方で非常に話しやすく、驚くほど知識豊富でした。

情報交換をするつもりでしたが、ほとんど教えられっぱなしで

葛布を愛する気持ちの強さ、研究にかける熱意、各地を飛び回る行動力

圧倒されました。でも負けていられぬ、もっと頑張らねばと改めて気合いをいれました。

 

 
 
お話させていただいた空間は、まさに葛布、葛布、葛布

壁紙から座布団からコースター、スリッパ、ランチョンマットなどなど

葛布に囲まれていました。

 

 
 

屋根の梁がむき出しで、窓から優しい光が差し込む工房には

いろんな種類の機織り機がたくさん並んでおりました。

 

  

 
 
葛布には様々な色があり、この工房では全てが

炭や柿渋など天然染料で染められていました。

 

 
 
近年、「食の安全」や「住まいの安全」は、なにかと注目され意識するのですが

「衣の安全」はあまり意識が弱いです。

葛布は日本三大古布というものの一つで、はるか昔より人々の生活の一部となっていて

冠位十二階の着物や、武士の鎧の内衣にも使われていたと教わりました。

 
昔の人の生活にはすばらしい発見がいろいろあります。

改めて、衣服を始め、身の回りの小物や肌に触れるものの安全性を

見直す時期が来ているのかもしれません。

 

 

 

 
 
大きく成長したと感じた一日でした。

葛布を知る事のみならず、葛という植物の素晴らしさを再認識し

こんなに葛を愛し触れ合っている人との出会いに喜びを感じました。

 
葛布だけでなく、葛に興味のある方は大井川まで足を運び

直接お話しすれば、たぶん葛が好きになりますよ。

 
村井さま、そしておもてなししていただいたご家族さま

お忙しい中、本当にありがとうございました。

 

 
大井川葛布

  ウェブサイトはこちら

 
 

小説 「吉野葛」

 
私が知る限り、葛を主題にした本というのは、あまり多くはありません。

 
特に小説に関しては、ほんの数冊程度です。 と思います・・・

 
その中の一つ、谷崎潤一郎の著書「吉野葛」を紹介しようかと思います。

 

 
紹介といっても、私は小説を読む癖はありませんし

評論することなどできませんが、こんな著書ですよという紹介だけでも

できればいいかな、と思ってますので軽い気持ちで見てください。

 
 
まず結論から言うと、この本は葛の澱粉「吉野葛」について

書かれたものではありません。

 
内容としては、谷崎潤一郎は永遠の理想の女性は母であると

強く思っているようで、この本も母への強い思慕の気持ちが綴られています。

 
この小説は昭和6年に「中央公論」という雑誌に掲載されたものです。

著者が20代の頃の物語で、学生時代の友人と吉野の地を旅しながら

吉野の歴史とともに、母への思いを表現しています。

 

ここで、小説を読み著者の心を感じることが苦手な私は

なぜ、この小説のタイトルが「吉野葛」なのか明確な答えがでていません。

それっぽい部分は2つあるのですが・・・

 
①基本的には著者の母への思慕を表現した小説なのですが

文章的な内容のほとんどが、学生時代の友人が著者に語った母を思う気持ちです。

その中で、友人の思いを表現するのに「うらみ葛の葉」という言葉がでてきます。

調べてみると、これは人形浄瑠璃、および歌舞伎で使用されているらしく

葛の葉という名前の狐が主人公の物語で、詳しく説明すると長くなるので

また別の機会にしたいと思いますが、内容を一言でいうと

著者の気持ちと同じく、やはり子が母を思う思慕を表現したものです。

 
②そして小説の後半に、友人の母親の生家が吉野町の国栖(くず)だと書かれています。

その家は「紙漉き」を生業としているのですが、文章の一説に

「おえいは日々雪のふる山に葛をほりに行き候」とあります。

おえいとはこの家の娘の名前です。

 
この2つが葛について触れている部分ですが、どちらもさらっと流れているように

感じる部分ですので、タイトルになるとは考えにくいと思っています。

 
著者は母への思慕を表現するとともに、吉野の歴史も綴っています。

もしかしたら、当時から「吉野葛」という名前が多くの人に知れ渡っており

この物語の舞台である吉野を連想させるのに「うってつけ」だったのでは?

なんてことも考えましたが、結局私なりの結論はでてないのが現状です。

 

 
皆様、もしお時間がありましたら一度ご朗読いただき

なぜ、「吉野葛」なのか?

考えてみてください。

 

 
 

鉢植えの新入りがデビュー

 
毎年、店舗の前に展示している葛の鉢植え

3月に植え替えをしましたが、無事成長しております。

 
今年はあまり広範囲に広がらないように剪定しています。

現在こんな感じです ↓ ↓ ↓

 

 

 
いつもの事ですが、成長速度はすさまじいです。

 
 
そして今年は葛の鉢植えをひとつ増やしました。

こちらが新入りです。 ↓ ↓ ↓

 

 
 
まぁほとんど同じに見えますが・・・

この葛は昨年に芽を出した2年目くんです。

 
でも、この葛は他の鉢植えと大きく違うのです。

それは・・・なんと・・・

種から発芽したものなんです!(たぶん)

 
このブログ内で、葛の栽培の仕方は何度も説明していますが

基本的に挿し木で増やすのが、簡単で早いです。

葛はマメ科の植物なので花が咲き、その後に豆ができ、その中に種がはいっています。

もちろん種から発芽することはあるのですが、栽培ではほとんど発芽せず

自然界でも種で増殖することは少ないのです。

しかも、葛の種は植えたその年に発芽するとは限らず

何年後かに何かのはずみで発芽することがあります。

 
この鉢植えの苗を見つけたのは昨年の8月です。

母が育てているトマトのプランターから生えていました。

それがこれです ↓ ↓ ↓

 

 

 
見つけた時は、葛っぽい・・・と思い、成長を見守っていました。

2枚目の画像で分かるのですが、挿し木では無く、直接地面から根がでています。

私の管理している葛の鉢植えは豆を付けていないので、種はできないです。

なので、どこから、どうやって、このプランターに種が入ったのか?

いつ入って、なんで発芽したのか?

分からないことだらけの苗ですが、とにかく成長が楽しみです。